リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

巨細胞性動脈炎(GCA)と高安動脈炎(TAK)の鑑別

Takayasu arteritis and giant cell arteritis: are they a spectrum of the same disease?

Kermani TA. Int J Rheum Dis. 2019 Jan;22 Suppl 1:41-48.

 

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《画像で異常を認める動脈による鑑別》

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腋窩動脈病変はGCAに多い

・左鎖骨下動脈に頸動脈病変があればTAKらしい

GCAでは両側鎖骨下動脈に対称性に病変が生じる

 

《鑑別のまとめ》

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【疫学】

 TAKは40歳未満、GCAは50歳以上、共通するのはどちらも女性に多い(TAKで顕著)

【遺伝】

 TAKはMHC class I(特にHLA B52)、GCAはMHC class IIに関連

【病因】

 TAKではγδT細胞、NKT細胞の活性化がトリガー、GCAでは樹状細胞の活性化がトリガー、共通するのはマクロファージ、Th1、Th17の活性化

【組織】

 TAKは外膜の炎症、GCAは中膜の炎症、共通するには肉芽腫性炎症

【臨床症状】

 GCAでは側頭動脈症状(視野異常、多発筋痛、顎跛行、側頭圧痛、頭痛)、共通するのは四肢跛行(TAKでより跛行が多い)

【画像】

 TAKでは左鎖骨下、頸動脈で狭窄で多い、GCAでは両側鎖骨下動脈、腋窩動脈で動脈瘤病変が多い

【治療】

 TAKではTNFα阻害薬に反応し、アバタセプトに反応しない、GCAではアバタセプトに反応し、TNFα阻害薬に反応しない、共通するのはグルココルチコイド、トシリズマブが有効であること