リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

IgG4関連疾患の分類基準2018

 2018年にACRとEULARが合同でIgG4関連疾患の分類基準のドラフト版を発表しました。なんと3ステップを順序に踏んでゆき、診断した際の感度と特異度はそれぞれ99.2%85.5%だそうです。すご。ただしこれはあくまでの研究のための分類基準であり、診断基準ではないことに注意すべき。

 

作成に携わったストーン博士曰く、IgG4関連疾患は実は強皮症やANCA関連血管炎よりも頻度が高く、身近な疾患だそうです。ほんと!?

 

《3 Step診断法》

Step 1 IgG4関連疾患の罹患臓器の特定

 以下の10臓器の内、1つ以上の病変がある場合にIgG4関連疾患を考慮する

 

頭頚部:硬膜、眼窩、涙腺、大唾液腺、甲状腺(Riedel甲状腺炎は含むが橋本病は含まない)

腹部:膵臓、胆管、後腹膜、腎臓、大動脈 

 

Step 2 除外項目

 以下の項目の1つでも満たせば除外する

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 Step 3 クライテリア:ドメイン毎の所見の点数化

 ドメイン毎の所見を点数化し、19点以上をIgG4関連疾患と診断する

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基準には含まれませんが、

・発熱を伴わない体重減少

・ESR高値なのにCRP正常

などもIgG4関連疾患を疑う所見だそうです

 

ちなみにIgG4関連疾患のフェノタイプについては以下をご覧ください。

 

tuneyoshida.hatenablog.com