脊椎関節炎をリウマチ専門医するタイミング
先日のブログで、体軸性脊椎関節炎の代表である強直性脊椎炎の発症から診断までに遅れが平均9年であるとお伝えしました。
強直性脊椎炎の診断遅れについてはこちらをご覧ください。
疑わしい場合はリウマチ専門医に相談して頂きたいのですが、実際どのような場合に専門医に紹介すべきか、少し古いですが、正式な推奨があったので、以下に示します。
・HLAは自費になりますので、一般内科医ではなかなか測定できないかと思います。
・仙腸関節炎の画像所見もなかなか読影が難しいかもしれません。診察で疑うだけでも価値があると思います。
仙腸関節炎の診察についてはこちらをご覧ください。
という事で、以下にプライマリケアでのマネジメントの一例をお示しいます。
3か月以上持続する腰痛がある45歳未満の患者さんでは
①問診で確認する事
・炎症性腰背部痛(緩徐に発症、運動で改善、安静で改善なし、夜間痛)の症状
・乾癬、炎症性腸疾患(口内炎、下痢、血便、黒色便 etc)、ブドウ膜炎(霧視)の症状
・脊椎関節炎の家族歴(二親等まで)
②身体所見で確認する事
・仙腸関節炎の身体所見
・関節炎・アキレス腱炎・指炎の所見(アキレス腱をキチンと触診しましょう)
・乾癬(爪、肘、臍、膝を要チェック)、(炎症性腸疾患)、ブドウ膜炎(眼科)の所見
③検査で確認する事
・炎症マーカの上昇(正常でも良い)
④治療反応で確認する事
・NSAIDsを最大量投与した時に少しでも改善があるか
上記があればリウマチ医にご相談下さい。
【参考文献】
Poddubnyy D, et at. Ann Rheum Dis. 2015 Aug; 74 (8): 1483-7. "Development of an ASAS-endorsed recommendation for the early referral of patients with a suspicion of axial spondyloarthritis."