リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

耳鼻科

ステロイドの副作用の新しい評価スケール~複合グルココルチコイド毒性指標~

先日『SLEの慢性期のステロイドは中止できるか? 』というテーマの論文をご紹介しましたが、その中で、ステロイドの副作用の評価スケールを使用しておりました。 恥ずかしながらステロイドの副作用って、例えば骨粗鬆症は『ある』か『なし』で評価しておりま…

嗅覚障害の鑑別診断~ウイルス以外~

嗅覚障害を起こすウイルスについて前回書きましたが、ウイルス以外にもこんなに嗅覚障害を起こす病気があるんですね。 【嗅覚障害を起こすウイルス】 【嗅覚障害の原因】 【参考文献】 ●Malaty J, et al. Am Fam Physician. 2013 Dec 15; 88 (12): 852-9. "S…

OMAAVという病気を知っていますか?

OMAAVという病気をご存知でしょうか? ANCA関連血管炎が原因で起こる中耳炎のことで、 Otitis media with antineutrophil cytoplasmic antibody assiciated vasculitis の略語になります。 比較的最近出てきた概念で、抗菌薬や鼓膜換気チューブなどといった…

口唇生検はIgG4関連疾患の診断に有用か?

2019年はIgG4関連疾患の新分類基準が発表された記念すべき年でした。この分類基準の特徴は生検(病理所見)がなくてもその他の部分で有意な所見があれば、IgG4関連疾患と診断出来るという包括的な基準でした。 しかし、IgG4関連疾患の診断において病理所見が重…

再発性多発軟骨炎⑥~治療~

いよいよ再発性多発軟骨炎の最終記事、治療についてです。 症状に関してはこちら。 病因に関してはこちら。 病理に関してはこちら。 診断基準に関してはこちら。 診察と検査と鑑別に関してはこちら。 希少疾患であるため、治療に関しては症例報告やケースシ…

IgG4関連疾患~新分類基準2019~

以前にACR/EULARのIgG4関連疾患の新分類基準の2018年ドラフト版についてご紹介させて頂きましたが、この度2019年に最終版が報告されましたので、ご紹介致します。 ドラフト版についてはこちらをどうぞ。 やはり、ドラフト版の通り、3つのステップに従って診…

再発性多発軟骨炎⑤~診察と検査と鑑別と~

複数の軟骨病変を呈する再発性多発軟骨炎ですが、診察を丁寧に行わなければなりません。今回は診察、必要な追加検査、各軟骨病変の鑑別についてまとめたいと思います。 症状についてはこちら。 病因についてはこちら。 病理についてはこちら。 診断基準につ…

再発性多発軟骨炎③~病理~

今回は病理についてまとめたいと思います。 こちらもご覧ください。 ※再発性多発軟骨炎の病理像は生検が行われる時期に依存します 初期 ●軟骨周囲、特に初期は軟骨真皮接合部にリンパ球、様々な割合の多型核細胞、単球/マクロファージ、形質細胞の浸潤が見ら…

再発性多発軟骨炎②~病因~

UpToDateをもう少しわかりやすく意訳したものです。 こちらもご覧ください。 【ポイント】 ・再発性多発軟骨炎の明確な病因は不明だが、外的刺激や遺伝的感受性(HLA-DR4)などが関与していると考えられる ・HLA-DR陽性抗原提示細胞とCD4陽性Tリンパ球が顕著に…

再発性多発軟骨炎①~症状~

先日外来で耳介軟骨が腫れて痛がる患者がいました。まだ確定診断はついておりませんが、再発性多発軟骨炎を想起しました。 再発性多発軟骨炎は耳介軟骨、鼻軟骨、気管軟骨などの軟骨に炎症が生じる再発性の疾患です。 それ以外にも関節や眼、心血管、中枢神…

IgG4関連疾患のフェノタイプ

Wallace ZS. et al. Ann Rheum Dis 2019;78:406-412. Clinical phenotypes of IgG4-related disease: an analysis of two international cross-sectional cohorts. IgG4関連疾患は全身の臓器を侵す免疫介在性疾患で、主に唾液腺、膵胆管、リンパ節、肺、腎、…

IgG4関連疾患の分類基準2018

2018年にACRとEULARが合同でIgG4関連疾患の分類基準のドラフト版を発表しました。なんと3ステップを順序に踏んでゆき、診断した際の感度と特異度はそれぞれ99.2%、85.5%だそうです。すご。ただしこれはあくまでの研究のための分類基準であり、診断基準ではな…