リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

基礎免疫

簡単!!抗核抗体の染色パターンの考え方

『抗核抗体の蛍光抗体法のパターンと対応抗体が覚えられない!!』と言う声をしばしばお聞きします。確かにそうです。 気合を入れれば、覚えられなくはないかと思いますが、正直大変ですよね。 何か良い覚え方がないか考えましたが、そんな小手先の事はせず…

なぜ、IL-17阻害薬は腸炎を悪化させるか?

主に脊椎関節炎に使用されるIL-17阻害薬ですが、炎症性腸疾患が悪化させるという報告が散見されます。 その相反する作用を理解するには、IL-17の関節に対する機能と、腸管に対する機能を理解する必要があります。 本日は、IL-17の役割とその阻害薬による炎症…

ビタミンD欠乏は自己免疫性疾患を引き起こす

ビタミンD欠乏が低カルシウム血症や骨粗鬆症だけでなく、自己免疫疾患と関係する事は昔から少しずつ知られておりました。 全身性エリテマトーデス(SLE)でもビタミンD欠乏が様々な自己免疫反応を起こすことが言われております。 今回は少し古いですが、SLE患…

ばち指~鑑別と機序~

関節痛の患者で、ばち指を認めたら何を疑うか?? ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 答えは肥大性骨関節症ですが、ばち指の鑑別や機序について改めてまとめてみました。 ばち指の所見 ばち指の鑑別 ばち指の機序 1. 異常血管新生 2. 低酸素血症 3. 慢性炎症 診…

炎症性貧血Review NEJM2019

つい最近のNEJMで炎症性貧血についてReviewが出されておりました。真新しい事はないかと思いますが、分子機序が割と細かく、復習に良いかもしれません。まとめてみたので、二次利用などにご活用ください。 【ポイント】 ヘプシジン合成亢進 ・炎症が起こると…

血管内リンパ腫細胞が血管内に留まる理由

分子免疫学を勉強していると臨床で抱いた疑問がしばしば解決することがあります。 今回はこの疑問『なぜIVL細胞が血管内に留まるのか?』に対して分子免疫学的視点から迫ってみようと思います。 リンパ球の分類と成熟部位 まず、リンパ球は T細胞とB細胞に分…