リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

炎症性筋疾患は、筋組織の発現する遺伝子で分類できる!

特発性炎症性筋疾患は皮膚筋炎、抗ARS抗体症候群、免疫介在性壊死性筋炎、封入体筋炎、多発性筋炎、オーバーラップ筋炎の6つを含む疾患群です。 50~80%の炎症性筋疾患患者では筋炎特異的自己抗体が陽性となります。 筋生検で得た特徴的な病理所見で例えば、…

リウマチ性多発筋痛症の鑑別疾患

『リウマチ性多発筋痛症』という病名は、両上肢挙上困難+炎症マーカー上昇で比較的簡単に付けられてしまいますが、同じような症状を呈する疾患は多岐に渡ります。 簡単に診断する前に、以下の鑑別疾患について今一度、思いを巡らせて見てください。

クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)の診断基準2017

クリオピリン関連周期熱症候群は、NLRP3(クリオピリンタンパク)の遺伝子に異常があることにより発症する、稀な自己炎症症候群の一つです。 クリオピリンは細胞内に存在する自然免疫系のパターン認識受容体であるNOD様受容体の1つで、病原微生物などに反応し…

リウマチ因子(RF)~役割と他の疾患での陽性率~

健康診断の血液検査の項目に『リウマチ因子(RF)』がある影響で、しばしば『RF陽性』という紹介が来ます。 確かに関節リウマチの診断の役に立ち、予後に関連すると言われておりますが、関節リウマチ以外にも多数の疾患で陽性となり、さらに健常者でも一定の割…

SLE患者の死亡に関わるリスク因子

SLE

早期診断と強化治療のおかげでSLEの5年生存率は1950年代の50%から1990年代以降では90%以上となりました。 今までもSLE患者の死亡率に関連するリスク因子についての報告がありましたが、つい最近イギリスから報告されたものをご紹介します。

SLEの予防と治療戦略~Nature Review Rheumatology 2019~

SLE

2019年はSLE関連の論文が刷新された記念すべき年でした。 SLE、抗リン脂質抗体症候群に対するEULARのRecommendationも改訂され、さらにLancetやNature Review Rheumatologyなどの有名雑誌からもSLEの予防や治療戦略についての総説が続々と発表されました。 …

全身性エリテマトーデスの鑑別疾患

SLE

SLEのmimickerについてまとまった文献があったので、以下に日本語訳を示します。 ご参考になれば幸いです。 【参考文献】 Gatto M, et al. Nat Rev Rheumatol. 2019 Jan; 15 (1): 30-48. "New therapeutic strategies in systemic lupus erythematosus manag…