リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)①~分類基準2019~

前回の好酸球性心筋炎に引き続き、その原因疾患となる好酸球性多発血管炎性肉芽腫症についてまとめたいと思います。英語で表記するとEosinophilic granulomatosis with polyangiitis、略してEGPAです。 ANCA関連血管炎の一つですが、GPAやMPAと比較して症例…

好酸球性心筋炎UpToDate

好酸球増多症ではしばしば心筋障害が起こります。好酸球増多症の原因精査目的で入院された方で、心筋肥大を認めた患者がいらしたので、以前に発表したスライドを掘り起こし、復習しました。 **************************************************************…

繰り返す髄膜炎の鑑別

再発性髄膜炎の鑑別としてMollaret髄膜炎(HSV-2による髄膜炎)がありますが、正直、これ以外の髄膜炎の鑑別をあまり知らなかったです。 少し前に、髄膜炎を繰り返している患者がいたので、鑑別をまとめてみました。 【ポイント】 ・再発性髄膜炎は5つのカテゴ…

稀だが忘れてはならない脅威~リウマチ性血管炎~

滑膜炎が主体である関節リウマチに血管炎が生じた場合にリウマチ性血管炎と呼びます。日本では予後の悪さのため、悪性関節リウマチと言われており、難病の指定にもなっております。 最近、入院患者でリウマチ性血管炎が疑われる患者を担当したので、まとめま…

関西に多い!?~パンケーキ症候群~

最近『パンケーキ食べた~い』という芸人が活躍していますが、皆様、パンケーキ症候群をご存じでしょうか。関西に住んでいると特に意識しなければならない疾患の一つです。 【概論】 ・1993年に初めて報告された、パンケーキを食べた後にアナフィラキシーを…

関節リウマチの鑑別診断

関節リウマチは早期の診断と早期治療介入により、関節予後が大幅に改善しました。 ACR/EULARは2010年に下記の分類基準を発表しましたが、分類基準ではあるものの、日常診療において早期関節リウマチの診断において、強力な助太刀となりました。

【永久保存版】強皮症の自己抗体

皮膚筋炎や強皮症などの疾患は自己抗体が診断に有用であることはもちろん、ある程度、病因や臨床経過、障害臓器、予後に関係することが分かっております。 今回は強皮症の自己抗体についてまとめたいと思います。 【ポイント】 ・抗トポイソメラーゼI抗体(抗…

チューインガムテスト~巨細胞性動脈炎の顎跛行の身体所見~

側頭動脈病変を含む巨細胞性動脈炎では顎跛行は頻度は50%未満ですが、特徴的な症状となります。 しかし、問診で顎跛行を尋ねても、本人の自覚は不明なことも少なくなく、身体所見で確認することがなかなか出来ませんでした。 そこで今回は『チューインガムテ…