リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

血液内科

SLEの新しい診断ツール~SLEリスク確率指数(SLERPI)とは~

最近、SLEらしさがスコアリングで分かる指標が発表されました。 802人のSLE患者コホートから、例によって機械学習によってSLEに関連の強く因子に抽出し、重み付けをしてモデルを作成しています。 以下にお示しします。

ITPはSLE発症のハイリスクである

本日ご紹介するのは、免疫性血小板減少減少性紫斑病(ITP)と全身性エリテマトーデス(SLE)の関係について考察した短い論文です。 結論から申し上げますと、ITPはSLE発症のハイリスクであるため、ITPの診断の入り口である血液中の先生とリウマチ内科医が協力し…

DICとTMAの鑑別

播種性血管内凝固(DIC)と血栓性微小血管障害(TMA)はしばしば鑑別が困難な場合があります。両者とも血小板減少、出血傾向、臓器不全に関連した微小血管血栓症を呈します。これらは治療法が異なるため、臨床的に鑑別する事が重要です。 日本からの報告でこの両…

TAFRO症候群 診断基準・重症度分類 2019年

TAFRO症候群の2015年の診断基準が2019年にマイナー改訂され、2020年1月に発表されました。 TAFRO症候群について 診断基準 2019年 疾患概要 必要項目と除外診断 診断のポイント 重症度分類 2019年 コメント TAFRO症候群について ●原因不明の全身性炎症性疾患…

TAFRO症候群の血小板減少はいつまで続く?

TAFRO症候群という病気をご存じでしょうか。 2010年に、高井らによって、発熱(Fever)、胸腹水(Anasarca)、肝脾腫(Organomegaly)を伴い、骨髄に軽度の線維化(Reticlin fibrosis)を認める血小板減少症(Thrombocytopenia)で、リンパ節生検でHyaline vascular型C…

血管内リンパ腫細胞が血管内に留まる理由

分子免疫学を勉強していると臨床で抱いた疑問がしばしば解決することがあります。 今回はこの疑問『なぜIVL細胞が血管内に留まるのか?』に対して分子免疫学的視点から迫ってみようと思います。 リンパ球の分類と成熟部位 まず、リンパ球は T細胞とB細胞に分…

I型クリオグロブリン血症 

クリオグロブリン血症の内、モノクローナルガンマパチーによるI型クリオグロブリン血症についてまとめたものです。