2021-01-01から1年間の記事一覧
乾癬性関節炎のガイドラインは国内外で多岐に渡ります。エビデンスが十分でない事を反映して、ガイドライン毎に推奨事項が若干異なります。 関節リウマチと違って、どのガイドラインを選択するかによってマネジメントが大きく異なり、ガイドラインを妄信して…
免疫抑制薬を使用しているリウマチ膠原病疾患患者では、新型コロナウイルスワクチンの副反応が強く起こる事が危惧されています。また、原疾患の再燃の懸念もあります。 最近これらの懸念事項に関して、少しずつ研究結果が出てきたので、代表的な論文をまとめ…
免疫抑制薬を使用している患者では、新型コロナウイルスワクチンの免疫原性が低下する事が危惧されています。 最近少しずつこれに関して研究結果が出てきたので、その代表的な論文をいくつかまとめたいと思います。
リウマチ膠原病は多彩な症状を呈し、非典型例も多いため、苦手とする方も多いかもしれません。リウマチ膠原病診療への苦手意識をなくすには、文献的学習だけではなく、可能な限り多くの疾患を診る事に限ると思いますが、初見で診断する事は難しい事も少なく…
皆様にリウマチ膠原病疾患をより理解して頂くために、どうしたら良いずっと考えております。リウマチ膠原病疾患は症状が多彩で捉えどころがない事が苦手な要因ではないかとふと思い、それならば症状がまとまった一覧があれば、と思い立ちました。
リウマチ膠原病内科はまったりしている印象ですが、1分1秒を争うような緊急性の高い疾患や状態があります。以下にその例を挙げます。
2021年4月に日本リウマチ学会より関節リウマチ診療ガイドライン2020が発刊となりました。2014年から6年ぶりの改訂になります。 今までは米国リウマチ学会や欧州リウマチ学会のガイドラインを参考にしていた方も多いかと思いますが、これから数年はこちらを参…
最近心躍る面白い論文をご紹介する機会が少なくなってしまったので、代わりに私のリウマチ膠原病診療にへの心構えをご紹介したいと思います。 どこかの原稿に載るかもしれませんし、載らないかもしれません。どこかに載せても良いよという編集者・出版社さん…
”偽痛風”ことピロリン酸カルシウム結晶沈着症 (calcium pyrophosphate dehydrate deposition disease: CPPD)は身体の色々な部分に沈着します。 本日はそんな非典型な臨床像をPubmedで文献を500件ほどReviewし、なるべく臨床写真を閲覧でき、かつ病理組織学的…
免疫抑制薬を使用している患者さんにとって、ワクチンの有効性が低下するかどうかは大きな懸念事項です。 とある勉強会で紹介された最新の論文で、今までの免疫抑制薬とワクチンの免疫原性についての研究をまとめたReviewがあったため、本日簡単にご紹介させ…
乾癬性関節炎は皮膚病変である乾癬に加えて、爪病変、末梢関節炎、付着部炎、指炎、さらには体軸関節炎、ブドウ膜炎まで多彩な臨床像を引き起こす疾患です。 2種類のヘルパーT細胞、Th1とTh17が活性化し、IL12, 17, 22とTNF-αを産生する事が関わるとされてお…
ニューモシスチス肺炎の予防はリウマチ膠原病疾患ではしばしば重要な検討事項です。 しかし、一度予防投薬を開始すると『いつ止めるか』という事が頭を悩ます問題になります。 予防の中止に関してはHIV患者ではCD4陽性リンパ球数などを参考に行っている報告…
ニューモシスチス・ジロベチイ肺炎(PJP)はリウマチ膠原病疾患の治療を行う上で、常に考慮しなければならない真菌性肺炎です。 HIV患者での発症が有名ですが、リウマチ膠原病疾患を含めたnon-HIV患者の方が、一般に急速に進行し、予後不良と言われています(PM…
最近、SLEらしさがスコアリングで分かる指標が発表されました。 802人のSLE患者コホートから、例によって機械学習によってSLEに関連の強く因子に抽出し、重み付けをしてモデルを作成しています。 以下にお示しします。
PMRの有病率ってどのくらいか分かりますか? 『日本は超高齢化社会だから、多いに決まっている!』と言う方もいるかもしれません。 私の外勤先では、たった2か月のうちにPMR、RS3PEを5人も診断された先生もいるくらいです。 しかし、本当にそんなに多いので…
関節リウマチ(RA)を含めて、リウマチ膠原病疾患はしばしば間質性肺疾患(ILD)を合併します。 一方で今までそれらに使用されるメトトレキサート(MTX)も間質性肺疾患を起こす可能性があると懸念されてきました。 ゆえに、間質性肺炎が少しでもある関節リウマチ…
リウマチ性多発筋痛症(PMR)と言えば、『両上肢挙上困難』を思い浮かべる方は多いと思います。 『両上肢挙上困難+CRPなどの炎症マーカー上昇=PMR』という方程式もしばしばカルテで見られます。 しかし本当にそれで良いのでしょうか?身体所見でPMRらしさが分…
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が大流行して1年が過ぎました。 リウマチ膠原病疾患では、根底に自己免疫の異常があるため、当初感染によって起こる炎症が強く出るのではないか、はたまた免疫抑制薬やステロイドを使用しているため、感染症が重症化するので…
『リウマチ性多発筋痛症(PMR)は悪性腫瘍を合併する』という噂が巷では流行っています。少し古いですが、英国のPMR診療ガイドラインでも活動的な悪性腫瘍を除外するよう勧められております(PMID=19910443)。 しかし『本当に悪性腫瘍が合併しやすいのか』する…
リウマチ性多発筋痛症(PMR)のガイドラインとしてEULARの2015年の治療ガイドライン(1)が有名ですが、残念ながらステロイドの用量など、日本人にそのまま当てはめられない部分もありました。 そこで、独断と偏見ではございますが、日本人向けの治療アルゴリズ…
先日『SLEの慢性期のステロイドは中止できるか? 』というテーマの論文をご紹介しましたが、その中で、ステロイドの副作用の評価スケールを使用しておりました。 恥ずかしながらステロイドの副作用って、例えば骨粗鬆症は『ある』か『なし』で評価しておりま…
全身性エリテマトーデスにとってステロイド(グルココルチコイド)は不可欠な薬ですが『状態が安定した慢性期にそれを減量中止できるか』というのは永遠のテーマです。 慢性期に低用量のステロイドを継続すべきかやめるべきか、という臨床的疑問に対して今まで…
リウマチ性多発筋痛症(PMR)と巨細胞性動脈炎(GCA)は合併すると言われています。 欧米では、およそPMRの10~30%にGCAが合併すると言われておりますが(PMID=28774422)、日本ではもう少し頻度が低く、東北大学からの報告では、PMRの内probable GCAに分類されたの…
患者さんが口渇症状を自覚し、または口腔内乾燥を指摘されて、シェーグレン症候群が疑われて紹介される事がしばしばあります。 しかし、なかには糖尿病だったり、高カルシウム血症だったりと、リウマチ膠原病以外の病気が隠れている場合があります。 本日は…