リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

薬剤

ステロイドの副作用の新しい評価スケール~複合グルココルチコイド毒性指標~

先日『SLEの慢性期のステロイドは中止できるか? 』というテーマの論文をご紹介しましたが、その中で、ステロイドの副作用の評価スケールを使用しておりました。 恥ずかしながらステロイドの副作用って、例えば骨粗鬆症は『ある』か『なし』で評価しておりま…

【永久保存版】メトトレキサートの作用機序~Nature Reviews Rheumatology 2020~

関節リウマチ治療の中心的役割のメトトレキサートについてまとめている論文を和訳しました。メトトレキサート治療に関わる全ての医療者に読んでいただきたい内容です。

DPP4阻害薬は自己免疫疾患のリスクを下げる

DPP4阻害薬がRS3PEや関節リウマチなどが発症する、などという症例報告、ケースシリーズは探せばいっぱい出てきます。ただ、それが本当なのか、未だに分かりません。 今回は『DPP4阻害薬使用により自己免疫疾患の発生リスクが上がるのか』を研究した大規模な…

なぜ、IL-17阻害薬は腸炎を悪化させるか?

主に脊椎関節炎に使用されるIL-17阻害薬ですが、炎症性腸疾患が悪化させるという報告が散見されます。 その相反する作用を理解するには、IL-17の関節に対する機能と、腸管に対する機能を理解する必要があります。 本日は、IL-17の役割とその阻害薬による炎症…

リツキシマブによる二次性低ガンマグロブリン血症の補充療法

リツキシマブはANCA関連血管炎の導入療法、維持療法で注目されて来ておりますが、その副作用の一つである、低ガンマグロブリン血症はリツキシマブを使用する際には、必ずチェックしなければなりません。 昨年実はリツキシマブによる二次性の低ガンマグロブリ…

リツキシマブによるANCA関連血管炎の維持療法~BSR expert consensus guidelines~

世界的にANCA関連血管炎の寛解導入療法、維持療法におけるリツキシマブ(RTX)の立ち位置は徐々に上昇して来ました。しかし、リツキシマブの維持療法での使用方法については正直エビデンスが限られておりました。 今回、British Society of Rheumatology(BSR)…

味覚障害の鑑別疾患

味覚障害の鑑別も色々あります。こういうのは家庭医の先生の方が得意なのではないでしょうか。プライマリケアでかなり見ていそうです。 【嗅覚障害を起こすウイルス】 【嗅覚障害のウイルス以外の鑑別疾患】 【味覚障害の鑑別疾患】 【参考文献】 ●Malaty J,…

嗅覚障害の鑑別診断~ウイルス以外~

嗅覚障害を起こすウイルスについて前回書きましたが、ウイルス以外にもこんなに嗅覚障害を起こす病気があるんですね。 【嗅覚障害を起こすウイルス】 【嗅覚障害の原因】 【参考文献】 ●Malaty J, et al. Am Fam Physician. 2013 Dec 15; 88 (12): 852-9. "S…

高齢発症SLE!!!と思う前に~薬剤誘発性ループス~

高齢発症のSLEを見たら、まず薬剤性ループスを疑います。外来に2名疑わしい患者さんがいるため、この疾患について久しぶりに知識をUpdateしました。 UpToDateが最もまとまっており、これに最新の論文を付け加えてまとめました。 歴史 分類 疫学 病因 遺伝的…

手が震える時に疑う薬剤~薬剤性振戦の鑑別~

薬剤を処方した後に、『手が震える』と仰る患者さんがたまにおられます。 今回はそんな振戦を起こす可能性がある薬剤についてまとめたいと思います。 リウマチ膠原病領域では特にステロイド、タクロリムス、シクロスポリンなどの薬剤による振戦が有名です。 …

悩ましいステロイドミオパチーについて

ステロイド治療を行っている患者が、筋力低下を訴えた時、それが原疾患によるものか、ステロイドによるミオパチーなのかいつも悩みます。今回はステロイドミオパチーについてまとめたいと思います。 【イントロダクション(3)】 ・一番最初は1932年にHarvey C…

肺胞出血UpToDate

肺胞出血の患者がいるため、復習しています。UpToDateが最新で最もまとまっていたため、訳してみました。 リウマチ膠原病領域では低酸素血症、貧血、新規陰影の場合に常に鑑別に挙がる病態です。 肺胞出血は肺胞上皮細胞、基底膜、肺毛細血管の破綻によって…

必ず鑑別に挙がる薬剤性肺障害について

薬剤性肺障害についてまとめてみました。 出典は見つけた薬剤性肺障害の診断・治療の手引きでインターネットで短縮版が無料公開されておりますので、是非入手することをお勧め致します。 【定義】 ・薬剤投与中に起きた呼吸器系の障害の中で、薬剤と関連があ…

骨代謝マーカーを使ってみよう!!

今まで骨粗鬆症の評価は骨密度検査のみ実施しており、骨代謝マーカーは測定したことがありませんでした。この度、骨代謝マーカーをオーダーする機会があり、骨免疫を理解するためにも勉強してみました。

薬剤性日光過敏 

問診で『日光過敏』を聴取した際には薬剤の関与を考慮する必要があります。 UpToDateに日光過敏を起こし得る薬剤についての記事があったのでまとめてみました。 【ポイント】 ・日光過敏の頻度が高い薬剤は以下になります。 抗菌薬(ニューキノロン系, テトラ…

免疫抑制薬の周術期の休薬期間

免疫抑制薬の周術期の休薬期間については外科系の先生からしばしば相談があります。日本のガイドラインでは全ての免疫抑制薬についてあまり明確な期間の記載はありませんが、多くの研究では半減期を考慮し、術前はその1.5~2倍程度の休薬期間を設定しているこ…