蕁麻疹と言えば、何らかの抗原に対するアレルギーを考えますが、原因不明も多いのが現状です。しかし、医療者は食べ物との関連を疑うことが多く、結果的に患者さんに〇〇アレルギーなどと、レッテルを貼り、過剰な不安を与えてしまうかもしれません。
しかし、一部の蕁麻疹ではウイルス感染に関連して起こることがあります。先日、先行感染歴があり、その後に蕁麻疹が出現し、ウイルス性が疑われた患者さんがおりましたので、調べました。
【ポイント】
・先行感染歴のある蕁麻疹はウイルス性蕁麻疹を疑う
・血液検査で異型リンパ球が出現すればより疑う
・ヘルペス属ウイルスと肝炎ウイルスが多い
【急性蕁麻疹:6週間未満の持続】
・ヘルペス属(EBV、CMV、HHV-6)
・パルボウイルスB19
+慢性蕁麻疹初期の可能性(原因に以下のウイルスを含む)
【慢性蕁麻疹:6週間以上の持続】
・HSV-2
・A型肝炎ウイルス
・B型肝炎ウイルス
※HSV、HHV-6、EBV、CMVは小児に多く、肝炎ウイルスは成人に多い傾向がある
【参考文献】
Imbalzano E, et al. Allergy Asthma Proc. 2016 Jan-Feb;37(1):18-22. “Association between urticaria and virus infections: A systematic review.”