リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

どの職種でも使える『コーチングスキル』について

 多くの方はあらゆる教育現場で”教える”という行為を行っていると思いますが、

コーチング”というスキルはご存じでしょうか。

 

 コーチング”という言葉はもともと、COACH=馬車という言葉から来ております。COACHというブランドのロゴに馬車が描かれていますが、そういうことだったんですね。

 この"コーチング"という言葉、大切な人をその人が望む目的地まで送り届けるという意味があるようです。

 

 とすると、”コーチ”は『その人が望む目的地』を明らかにし、その目的地に向かって歩いていくことをサポートする"伴走者"を指すことになります。

 

 コーチは必ずしも何かができて、特殊なスキルを教えることができる必要はありません。例えば、フィギュアスケートの浅田選手の歴代の山田コーチ、佐藤コーチ。浅田選手と比べると、年齢がかなり上で、過去には素晴らしい成績を残しましたが、浅田選手のコーチをしていた時は、手本を見せることは出来なかったでしょう。

 

 しかし、それでも浅田選手は素晴らしい選手になったことは自明のことです。

 

 大事なのは、目的地に向かって歩むことをサポートすることです。

 

 医療現場ではし、ばしば後輩に対して上からの"指導"を行います。『これは~で、~するんだよ』『この病気の治療法はね~なんだよ』と指導する方が多いと思います。

 

 これも実は立派なスキルで”ティーチング”と言います。

 全く無知識の初学者であれば、”ティーチング”は有効ですが、全員に同様にティーチングを行う事は必ずしもお勧めは出来ません。

 

 ”ティーチング”と”コーチング”の徹底的な違いは、前者が答えを示してあげることに対して、後者は学習者自身が答えに気づくようサポートするものであると言う事です。このスキル、身に着けて置いて損はありません。

 

 ここからは、コーチングを指させる基本的なスキルについてまとめたいと思います。

 

【基本的スキル】

①聴き方のスキル(Listening)

②質問のスキル(Asking)

③伝え方のスキル(Feedback)

 

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①聴く

 ※人は聴いて(気持ちを受け止めて)もらえないと動かない(相手も受け容れられない)

相手や内容への先入観を排除→✖『え、違くない?』

自分の評価判断を脇に置く→✖『私なら~する』

口を挟まず、最後まで聞く→✖ついつい話を遮ってしまわないように

沈黙したら待ってみる→✖ここ指導医から話を始めない

 

ちゃんと聴くには我々の姿勢も大事!!以下の事柄に注意する

位置:向き合う角度、目線の高さ、パーソナルスペース

姿勢:真っすぐ向いているか、うつむいていないか、手や脚を組んでいないか

視線:目をそらしていないか

表情:微笑・無症状・しかめっ面になっていないか、笑顔か

 

ちゃんと聴くためには共感的コミュニケーションも大事!!

ボディランゲージ→◎身振り、手ぶり

うなづき→◎『うん、うん、なるほど、確かに』

オウム返し→◎研『~と思いました』→指『~と思ったんだねぇ』

まとめ(明確化)→◎指『まとめると、~に困っているんだね』

 

※絶対にしてはいけないことは

●相手を説得しようとする事

●否定的接続詞を使う事→✖『でもね』『しかし』

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②質問する:"目的や目標を意識させる"問題の解決・誘導的質問

オープン型質問(答えが1つではない質問)→◎『君はどう思う?』

                     ◎『なんでこれが大事だと思う?』

 ex:クローズ型質問→✖『はい』or『いいえ』で答えられる質問

未来型&肯定的質問→◎『そのために今から何ができるかな?』

           ◎『どこを直せばいいと思う?』

           ◎『どんな方法が可能かな?』

 ex:過去型&否定型質問→✖『なぜ、そうしなかったの?』

             ✖『今まで何やってたの?』

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③伝える:同じことでも、伝え方によって受け止められ方が変わってくる

 ●メッセージは『I(アイ、私という意味)』で伝える

 →✖YOU メッセージ:『君の言っていることは正しい』『正解』

   ・YOUメッセージでは100%気持ちが伝わらなかったり、お世辞と思われる

   ・特に日本人は『いやいや、それほどでも』と遠慮しがち

   ・批判と受け取られて反発されることもある

   ・”評価”が見え隠れする→評価は基本は上下関係に基づく

 →◎I メッセージ:『私は君の案に賛同するよ』『感心した』

   ・自分がどのような影響を受けたかを伝える

   ・100%言葉が受け止められやすい

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 ここまでコーチングの3つのスキル、①聴く、②質問する、③伝えるについてまとめました。

 ●聴く際には先入観を除き、正しい姿勢で共感的に、最後まで聞く事。

 ●質問する際にはオープンな質問、未来&肯定型質問をする事。

 ●伝える際には”I(アイ)”メッセージで伝える事。

 でしたね。

 

 続いてはコーチングの実践的なアプローチについてお話します。

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コーチング的アプローチのコアスキル】

①マイゴールの設定

②アクションプランを作る

③行動をフォローする

 

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①マイゴールの設定:自分(学習者)の言葉で表現したゴール

※自分自身で設定したゴールに対してはやる気が自然に湧いてきますので、モチベーションの維持がしやすいです。

メリット、デメリットを意識化する→◎『それをする意義はなんだと思う?』

                 →◎『これをするメリットを思いつく?』

 -自分の言葉でメリットを明確化出来れば、『しなければならない』から『したい』へとマイゴールに変化する

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②アクションプランを作る

現実を把握する、数量化する→◎『理想を100%とすると今どのくらい?』

              →◎『100%にするためには何が必要?する?』

              →◎『とりあえず10%埋めるには何が必要?』

 -マイゴールから振り返り、今の自分の達成度を具体的に数字として認識することで、それに対するアプローチが具現化できる。

 -マイゴール達成のために、目の前の小さなステップを刻むことができるため、長続きし、飽きない。

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③行動をサポートする

進捗状況確認システムを作る→◎『〇月〇日までに君が言っていた所までやろう』

              →◎具体的な日時を設定して確認する

フィードバックをする→後日まとめます

”I(アイ)”メッセージで承認する→◎『良くここまでできたね!驚いた!』

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 もちろん、コーチングが好ましくない時もあります。

 

①相手がうつ状態→まずは傾聴のみ

②相手のレベルに達していない状況→ティーチング

③緊急の場合→ティーチング、指示、命令

 

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 最後にティーチングとコーチングについてまとめます。場面場面によっては上記のようにティーチングの方が良い時もあります。

 どちらのスキルも身に着けるようにしましょう!!

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