ANCA関連血管炎以外でANCAが陽性になる疾患
ANCA関連血管炎以外でANCAが陽性になる疾患は以外とたくさんあります。
2006年のLancetにもそれまでのANCAが陽性になる疾患のまとめがありました(Lancet
. 2006 Jul 29; 368 (9533): 404-18. PMID=16876669)が、だいぶ前の報告である事と、頻度が書かれていない事が問題点でした。
今回はなるべく最近に発表された3つのReview(2016年、2017年、2020年)から、ANCAが陽性になる頻度を重視してまとめてました。何かの参考になれば幸いです。
※注意すべき点は、ANCAのELISA法は、昔よりも検査精度が上がって来ているという事です。ANCAを産生する病態が確立されている疾患を除いて、昔のELISA法でMPO-ANCAやPR3-ANCAが陽性になった頻度が、現在のキットでも同じく陽性になるとは言い切れません。したがって、数字はあくまでも参考であると考えてください!!飛び切り高い頻度でないものに関しては”眉に唾を付けて”お読みになってください!!
また、『?』が付くものに関しては頻度がまとめられていないもの、症例報告レベルのものが混在しています。症例報告レベルのものは果たして本当にANCA陽性とその疾患や薬剤が関連するのか疑問が残ります。
【参考文献】
(1) Bossuyt X, et al. Nat Rev Rheumatol. 2017 Nov; 13 (11): 683–92. “Revised 2017 international consensus on testing of ANCAs in granulomatosis with polyangiitis and microscopic polyangiitis.” PMID=28905856
(2) Weiner M, et al. Autoimmun Rev. 2016 Oct; 15 (10): 978–82. “The clinical presentation and therapy of diseases related to anti-neutrophil cytoplasmic antibodies (ANCA).” PMID=27481040
(3) Sergey Moiseev, et al. Autoimmun Rev. 2020 Sep; 19 (9): 102618. ”2020 international consensus on ANCA testing beyond systemic vasculitis” PMID=32663621