リウマチ膠原病疾患患者のCOVID-19罹患
2020年4月1日の時点で、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアの6つの大陸から、COVID-19と診断されたリウマチ膠原病疾患患者は110人になります。その背景をまとめた報告があったので以下にまとめました。
【コメント】
●男性が多く、若年者が多い傾向です。
●関節リウマチが多いのは、もともとの罹患数が多いためと考えますが、それに次いで全身性エリテマトーデスと並列で、乾癬性関節炎患者のCOVID-19罹患者数が多いのは驚きです。
●間質性肺炎を合併しやすい強皮症、皮膚筋炎が以外と少ないです。
●感染前の治療については使用頻度の影響を受けますが、何を使っていても感染するときは感染するという事ですね。グルココルチコイドの用量は気になります。
●主要な症状はやはり発熱と咳嗽が7-8割。呼吸困難感は5割しかないので、注意しなければなりません。
●免疫抑制薬を使用していますが、死亡率は思いのほか低いように思います。国ごとの医療崩壊の程度の差はあるかもしれません。
●高血圧が多いのは頻度の問題かもしれません。次いで肺疾患が多いのは理解できます。糖尿病が以外と少ないですね。
【Limitation】
●多くの国で重症患者以外はPCR検査を実施していない可能性があります。
●リウマチ専門医が専門外の仕事で忙殺されているため、きちんと報告が出来ていない可能性があります。
●コホート研究なので、例えば、『csDMARDsを使用している患者が多い事=感染しやすい』という解釈にはならないことに注意してください。
【参考文献】
Milena A Gianfrancesco, et al. Lancet Rheumatol. 2020 Apr 16 "Rheumatic disease and COVID-19: initial data from the COVID-19 Global Rheumatology Alliance provider registries"