視神経障害の鑑別
報告されている視交叉までの視神経障害の原因をまとめてみました。
うーん、多い…
急性視力低下の鑑別とアプローチはこちら。
視神経障害の診断
なっと言っても交叉点滅対光反射試験が重要だと思います。
まず、対光反射の経路についてです。
●視覚路と言えば、以下の経路です。
●しかし対光反射の反射弓は少し違います。
視神経→視交叉→視索(ここまでは視覚と同じ経路)→中脳視蓋前域→両側動眼神経副覚(Edinger-Westphal核)→動眼神経→毛様体神経節→短毛様体神経→瞳孔括約筋
●重要な事は外側膝状体を通らず、中脳の視蓋前域を通過し、一側の視神経からの光源情報が両側の動眼神経副核に伝えられる事です。
●これにより、一側の眼に光刺激を入れても、両側で対抗反射が起こるわけです。
一側の視神経に異常があると、以下の通りになります。
(https://eyeguru.org/blog/examining-the-pupil/より引用)
正常
●正常では一側の眼にライトを当てると 対側も縮瞳します。
●すばやく対側にライトを移すと、対側眼の光源刺激により、同じく両側の縮瞳が起こります。
異常
●一側(上記の場合右眼)の視神経に異常があると、正常側にライトを当てると、正常側は縮瞳しますが、障害側でも遠心路(縮瞳させる機能)は正常であるため、縮瞳は起こります。
●しかし、いざ障害側にライトを当てると、視神経障害のため、光が届かず、障害側だけでなく、正常側も縮瞳が起こらなくなります。
視神経障害の鑑別
【参考文献】
●O'Neill EC, et al. Nat Rev Neurol. 2010 Apr; 6 (4): 221-36. "The optic nerve head in acquired optic neuropathies."
●Prasad S, et al. Neurologist. 2010 Jan;16 (1): 23-34. "Approach to optic neuropathies: clinical update."
●Petzold A, et al. Nat Rev Neurol. 2014 Aug;10 (8): 447-58. "The investigation of acute optic neuritis: a review and proposed protocol."