リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病徒然日記

リウマチ膠原病疾患に関して日々疑問になったことを中心にまとめたものです。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

DPP4阻害薬は自己免疫疾患のリスクを下げる

DPP4阻害薬がRS3PEや関節リウマチなどが発症する、などという症例報告、ケースシリーズは探せばいっぱい出てきます。ただ、それが本当なのか、未だに分かりません。 今回は『DPP4阻害薬使用により自己免疫疾患の発生リスクが上がるのか』を研究した大規模な…

なぜ、IL-17阻害薬は腸炎を悪化させるか?

主に脊椎関節炎に使用されるIL-17阻害薬ですが、炎症性腸疾患が悪化させるという報告が散見されます。 その相反する作用を理解するには、IL-17の関節に対する機能と、腸管に対する機能を理解する必要があります。 本日は、IL-17の役割とその阻害薬による炎症…

強皮症エキスパート達の治療選択2018

強皮症は様々な臓器に不可逆的な病変を生じますが、未だに画期的な治療はなく、どうしても対症療法が中心となっています。 臨床医の中でも薬の使い分けについては人それぞれかと思います。 そんな中で2018年、ガイドラインではありませんが、強皮症のエキス…

【Review】免疫不全患者の重症呼吸器感染症

近年、免疫不全状態にある重症患者の割合はICU入院全体の約3分の1を占めるまで増加しているようです。 殊に昨今では新型コロナウイルス感染症の流行があり、重度呼吸器感染症においてはより鑑別が重要になってきていると思います。 今回は免疫不全患者におけ…

今すぐ使える血ガスの読み方2020

研修医向けに血液ガスの読み方のレクチャーをしました。 もはや専門でなく、血液ガスもそんなに頻繁に採取している訳ではないのですが、 非専門の立場から『ここだけ押さえておくべき』という所だけをまとめたものです。 専門家からの指摘・修正をお待ちして…

Seronegative vs Seropositive RAの治療反応性

前回、DMARDsによる治療開始前の患者でSeronegative RAとSeropositive RAのベースラインでの疾患活動性や超音波での滑膜炎の程度を比較した論文をご紹介しました。 『Seronegative RAの方が疾患活動性が高い』という結果でしたが、同じ患者さんたちを2年間外…

Seronegative RA vs Seropositive RA

関節リウマチにはリウマチ因子(RF)と抗CCP抗体が陽性の『Seropositive RA』とそれらが陰性の『Seronegative RA』があります。 Seronegative RAは関節リウマチ全体の15%程度を占めるという報告があります(PMID=27094444)が、Seropositive RAと臨床症状が異な…