総合内科
薬剤を処方した後に、『手が震える』と仰る患者さんがたまにおられます。 今回はそんな振戦を起こす可能性がある薬剤についてまとめたいと思います。 リウマチ膠原病領域では特にステロイド、タクロリムス、シクロスポリンなどの薬剤による振戦が有名です。 …
好酸球増多症ではしばしば心筋障害が起こります。好酸球増多症の原因精査目的で入院された方で、心筋肥大を認めた患者がいらしたので、以前に発表したスライドを掘り起こし、復習しました。 **************************************************************…
再発性髄膜炎の鑑別としてMollaret髄膜炎(HSV-2による髄膜炎)がありますが、正直、これ以外の髄膜炎の鑑別をあまり知らなかったです。 少し前に、髄膜炎を繰り返している患者がいたので、鑑別をまとめてみました。 【ポイント】 ・再発性髄膜炎は5つのカテゴ…
最近『パンケーキ食べた~い』という芸人が活躍していますが、皆様、パンケーキ症候群をご存じでしょうか。関西に住んでいると特に意識しなければならない疾患の一つです。 【概論】 ・1993年に初めて報告された、パンケーキを食べた後にアナフィラキシーを…
蕁麻疹と言えば、何らかの抗原に対するアレルギーを考えますが、原因不明も多いのが現状です。しかし、医療者は食べ物との関連を疑うことが多く、結果的に患者さんに〇〇アレルギーなどと、レッテルを貼り、過剰な不安を与えてしまうかもしれません。 しかし…
肺胞出血の患者がいるため、復習しています。UpToDateが最新で最もまとまっていたため、訳してみました。 リウマチ膠原病領域では低酸素血症、貧血、新規陰影の場合に常に鑑別に挙がる病態です。 肺胞出血は肺胞上皮細胞、基底膜、肺毛細血管の破綻によって…
先日、とある勉強会で発表したスライドをアップ致します。 上肢の痺れ from Tsuneyasu Yoshida
担当ではありませんでしたが、先日の当直中、肺炎で入院中、夜間に悪化する腰部から両下肢の疼痛を訴える患者さんの診察依頼がありました。腰部脊柱管狭窄症の既往があり、診察では軽度うっ血性心不全の兆候がありました。 調べてみると”Vasperの呪い”という…
病棟でも外来でも手足が痺れる患者さんは少なくありません。 今回は多発神経障害(ポリニューロパチー)の考え方をまとめてみました。 【ポイント】 ・多発神経障害(ポリニューロパチー)は意外と多い ・手袋靴下型の神経障害では多発神経障害を疑う ・症状は神…
LDHが時々高いことを見かけますが、以下の論文ではLDHが異常高値である入院患者に着目し、その原因疾患をまとめたものです。 LDHが高値となるのは以下のスライドに示す通り、様々な疾患がありますが、 カットオフ値を800IU/Lと設定した際に、鑑別に挙がる疾…
問診で『日光過敏』を聴取した際には薬剤の関与を考慮する必要があります。 UpToDateに日光過敏を起こし得る薬剤についての記事があったのでまとめてみました。 【ポイント】 ・日光過敏の頻度が高い薬剤は以下になります。 抗菌薬(ニューキノロン系, テトラ…
【ポイント】 ・筋痙攣は発生率が健常成人の50-60% ・神経、筋、神経筋接合部のいずれかで神経興奮が持続することで起こる ・特発性が最多で二次性の原因は多岐にわたるが、一番多いのは脱水と電解質異常 ・また神経疾患や筋・神経筋接合部に影響を与える疾…
《眼の解剖》 ※ぶどう膜=虹彩+毛様体+脈絡膜 【疫学】 ・発生率は17-52人/10万人/年(1) ・有病率は38-714人/10万(1) ・発展途上国の失明の原因の25%に上る(1) ・原因には地域性がある(1) 【遺伝的素因】 ・HLA-B27:強直性脊椎炎と関連 ・HLA-B29:Birdshot…
American Geriatrics Society 2019 Updated AGS Beers Criteria® for Potentially Inappropriate Medication Use in Older Adults. J Am Geriatr Soc. 2019 Apr;67(4):674-694. 高齢者の約1割は薬剤の副作用のため入院していると言われております(PMID=28251…
時々CTで見かける『あれ』です。鑑別をまとめました。 ほとんどが静脈結石ですが、肉芽腫性疾患は忘れてはいけません。 Radiopediaから引用しております。 【参考文献】(1) Tieng AT, Sadow CA, Hochsztein JG et-al. Diffuse calcifications of the spleen:…
【分類】 ・再発性アフタ性口内炎(Recurrent Aphthous Stomatitis:RAS)は口腔粘膜の慢性炎症性疾患 (2) ・頬粘膜、口唇粘膜、舌に後発する(2) ・高度に角化した粘膜(口蓋、歯肉)には稀(2) ・再発性アフタ性口内炎はMinor、Major、ヘルペス状の潰瘍の3つに分…
"Raynaud's Phenomenon" Wigley FM et al. N Engl J Med. 2016 Aug 11;375(6):556-65. レイノー現象の患者さんをどのようにマネジメントしていますか?上記の論文がかなりまとまっていますのでご紹介します。NEJMは相変わらず図が綺麗です。 時間がある方は…
"Abnormal Urine Color" Aycock RD et al. South Med J. 2012 Jan;105(1):43-7. 入院患者でしばしば相談される着色尿のReviewを読みました。 患者さんも看護師さんも驚かれることが多いので、原因がわかるものに関しては是非お伝えして安心させてあげたいで…